仏壇用の花を選ぶ際、スーパーや花屋さんで売っている「仏花」を購入するのが一般的です。
けれども、たまには故人が好きだった花を選んだり、自宅で咲いた花を供えたりしたいこともあるでしょう。
そんなとき「この花は、仏壇に供えてもいいの?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、仏壇に供えるのはタブーとされている花などについて解説していきます。
仏壇に供えてはダメな花とは?
一般的な花束に入っている花や美しい花でも、仏壇に供えるのはタブーとされている花があります。
ここからは、具体的な花の名前をあげながら詳しく解説していきます。
トゲがある花
トゲがある花は、仏壇に供える際に遺族が怪我するおそれがあります。
美しくても縁起が悪いと考える人も多いので、お供えしない方がよいでしょう。
トゲがある花といえばバラです。
バラは好きな人は多く、一般的な花束によく使われています。
また、花屋さんで売っているバラはトゲがとってあるのが一般的です。
しかし仏壇にバラがあると、「常識がない」と批判される可能性もあるので避けた方がよいでしょう。
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美しい紫色の花を咲かせる野草のアザミにも、トゲがあります。
きれいだからと摘んで仏壇に供えるのは控えましょう。
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毒のある花
仏様に毒をお供えする行為になるため、毒のある花を仏壇に飾るのはタブー視されています。
代表的な毒がある花は以下の通りです。
・ヒガンバナ
・チューリップ
・スズラン
・シャクナゲ
・ジギタリス
・キョウチクトウ
・水仙
水仙に関しては、毒性を気にせず仏壇に供えている地域や家庭もあるようです。
仏壇などを汚してしまう可能性が高い花
すぐ枯れる花や、花びらが落ちやすい花は、仏壇を汚して掃除の手間が増えるため好ましくないとされています。
また、花粉がついて仏壇や座布団にシミができてしまうことがあるため、花粉が多い花も向いていません。
仏壇を汚してしまう可能性がある花の名前は以下の通りです。
・カサブランカ
・ユリ
・ツバキ
・サザンカ
ただし花粉を取り除いたユリは、仏花として好まれています。
なお花粉については、遺族に花粉症の方がいる可能性もあるので気を付けましょう。
ツル性の花
仏教には「樹心仏地」という教えがあります。広い世界を知って、自らが狭い見方をしていたことを知るということを表している親鸞の言葉です。
ツル性の花はこの教えに反すると考えられているため、お供えとして不向きと考えられています。
また、ツタが巻き付いて故人が成仏できないという悪いイメージもあります。
仏壇には供えるのは控えた方がいいでしょう。
代表的なツル性の花は以下の通りです。
・ツルバラ
・朝顔
・ジャスミン
・クレマチス
・ノウゼンカズラ
ツル性の花は水を吸い上げる力が弱くすぐに枯れてしまいがちです。
仏壇が汚れる原因にもなるので、そういった意味でも供えるのは控えた方がいいでしょう。
派手な花・黒い花
派手な花は、遺族を不快にさせたり縁起が悪いと思われたりするおそれがあります。
華やかで仏壇に向いていないとされている花は以下の通りです。
・ヒマワリ
・ハイビスカス
これらの花は、地域によってはタブーになっている可能性もあります。
また、色が暗すぎる花も仏壇には避けるべきといわれています。
黒に近い色がある花は以下の通りです。
・ダリア
・チューリップ
・バラ
特にチューリップとバラは、毒やトゲという点からも仏壇に不向きなので、避けた方がよいでしょう。
香りが強い花
線香の香りと混ざってしまうため、香りが強い花を仏壇に供えるのは向いていないとされています。
代表的な香りが強い花は以下の通りです。
・ユリ
・カサブランカ
近年では、仏花として売られている花束にユリなどが入っているケースも増えています。
けれども地域や家庭によっては、香りの強い花を不快に思う可能性があるので注意が必要です。
仏壇にお供えするのに適した花
「仏花」として販売している花は、仏壇に供えてもよい花しか入っていません。「仏壇にダメな花が入っていないかな?」などと気にすることなく飾れます。
ご自身で花を選んで購入する場合におすすめしたい、年間を通して入手しやすい仏壇に適した花は以下の通りです。
・菊
・カーネーション
・トルコ桔梗
仏壇におすすめな季節ごとの花は以下の通りです。
・春/ キンセンカ アイリス スターチス
・夏/リンドウ ケイトウ グラジオラス
・秋/ホオズキ ミソハギ
・冬/ストック スイートピー
通年手に入る菊などに、季節感のある花を加えると変化がでてよいでしょう。
仏壇の花のきまり
仏壇に花を供えるとき、適した花を選ぶほかにも決まりがいくつかあります。
ここからは、仏壇に花を飾る際に把握しておきたい決まりを解説します。
色合い
仏壇に飾る花は、四十九日以前は淡い色のみでまとめるのが一般的です。
それ以降は3色(白黄紫)、もしくは5色(白黄紫ピンク赤)で組み合わせるとよいでしょう。
本数
仏壇に供える花は奇数にするものとされています。
1本だと寂しい印象になりがちなので、3・5・7本の花束が一般的です。
飾り方
仏壇に花を供える際は、左右対称にするのが一般的です。
同じ花束や花かごを2個用意しましょう。
生花以外の花を供えてもいい?
生花の世話は意外に手間がかかります。負担に感じている場合、アルミなどでできた「常花」を飾るという方法があります。常花は仏具店などで販売されています。
また、近年では造花やプリザーブドフラワー、ドライフラワーを仏壇に供える家庭も増えています。
普段は造花を供え、特別な日には生花を用意するというように、使い分けするのもよいでしょう。
ただし、仏壇に造花を供えることに違和感を感じる人もいます。
他のお宅へ贈る場合は、あらかじめ造花にしたい旨を相談するとよいでしょう。
なお、造花やドライフラワーは燃えやすいので、ロウソクや線香の火が燃え移らないように注意が必要です。
仏壇に供える花の費用はどのくらい?
仏壇に供える花は、日常用か法事などの特別な日のための花かで金額が大きく変わってきます。
日常用としてはは500円~2,000円くらいの花を供えるのが一般的です。
特別な日には3,000円~5,000円程度の金額が相場です。
お供えする花は花瓶に生けた切り花、もしくは花かごにアレンジしたタイプのどちらでも問題ありません。
自宅用ではなく、訪問先に持参したり先方に送ったりする場合は、切り花だと花瓶が足りない恐れがあります。
あらかじめ花瓶があるか確認するか、花瓶が不要な花かごを選ぶとよいでしょう。
お墓に供えた花を仏壇に供えてもいい?
お彼岸やお盆、法事などでお墓参りをする際は、花を用意するのが一般的です。
仏壇が自宅にある場合は、お墓に供える花と仏壇用の花を用意することになります。
用意する花の量が多くて大変ですが、お墓参りで供えた花を使いまわして仏壇に供えるのはマナー違反とされています。
故人や遺族に失礼な行為なのでやめましょう。
使いまわしを見られて「ケチな人だ」と評判が悪くなる恐れもあります。
まとめ
仏壇に供えるのは避けた方がいい花や、仏壇におすすめの花について解説しました。
ぜひこの記事を参考に、仏壇に素敵な花を供えてください。故人へのよい供養になるでしょう。